【韓国籍の方の相続登記の解決事例】相続人兼被相続人の韓国の戸籍が無縁故戸籍となっていたケース

相談内容


被相続人は、30歳のときに朝鮮籍から日本へ帰化し、配偶者・子はなく、両親を含め直系尊属は既に他界していることから第3順位の兄弟姉妹が相続人となるケースで、帰化前の韓国戸籍が無縁故戸籍として扱われていた事案です。

無縁故戸籍

被相続人は父母、兄弟姉妹と一緒に帰化をしていましたが、兄弟姉妹のうち長兄だけは帰化をせず、朝鮮籍のまま2008年以降に死亡しています。

幸い、長兄について婚姻申告と子の出生申告がされていましたので、代襲相続人となる長兄の子から委任状をもらい、長兄と長兄の子の家族関係登録簿を取得するため、韓国領事館へ向かいました。

そこで、担当者の方が口にしたのが「ムヨンゴ(무연고)」という聞きなれない単語。

なんでも、被相続人の父を戸主とする戸籍はその戸籍に入籍している者から長期間なんらの申告もされてこなかったことから、韓国側から「無縁故戸籍」とみなされ、戸籍制度が廃止され、それに代わる制度として2008年1月1日にスタートした家族関係登録簿制度の切り替えのタイミングで、戸籍が凍結され、家族関係登録簿が作成されることなく保管されてきたとのことです。

したがって、長兄の家族関係登録簿はなく、何らかの申告をすることで、閉ざされた戸籍の扉を開く必要があるとのことでした。

解決

この事案では、長兄の死亡申告をすることで、新たに家族関係登録簿が調製され、死亡の記載のある基本証明書等、家族関係登録事項証明書が無事発給されました。

はる司法書士事務所は韓国籍の方の相続手続きに力を入れています。

日本国籍の方の相続手続きと司法書士報酬は変わりません。お気軽にご相談ください。