【韓国籍の相続放棄解決事例】相続人の一人に戸籍がなかったケース

相談内容

韓国籍の父親が亡くなり、借金があったため、お子さんであるAさん(長男)、Bさん(次男)から相続放棄をしたいとの相談を受けました。

問題点と解決方法

亡くなられた方(被相続人)が韓国籍であっても、日本における負債については日本の家庭裁判所で相続放棄の申述をすることができます。

申立て先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

必要となる書類は、①被相続人の住民票除票、②被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本、③相続放棄をする方の戸籍謄本になりますが、韓国国籍の方の場合、韓国に死亡届(死亡申告)をしていないケースが多いため、韓国の戸籍(家族関係登録簿、具体的には基本証明書と家族関係証明書)に死亡の記載がなくても、住民票除票に死亡の記載があれば、受理してもらえます。

韓国の戸籍を取得するには、氏名(姓名)のほか、韓国での本籍地(登録基準地)、生年月日が必要となりますが、今回のケースでは本籍地がわからないとのこと。まずは被相続人の閉鎖外国人登録原票を取り寄せて、本籍地を確認することからスタートしました。

本籍地がわかり、韓国戸籍を取得する段になって、初めてBさんの戸籍(家族関係登録簿)がないこと、父親である被相続人の戸籍にもBさんが載っていないことがわかりました。

韓国に出生届をだしていないと、父親の戸籍(除籍、家族関係証明書)に名前が載ってこないばかりか、本人の家族関係登録簿も作成されません。

この場合、戸籍から被相続人とBさんが親子関係にあることを証明することができません。
また、Bさんは被相続人と別居していたため、住民票からも親子関係を証明できません。
ただ、相続人の閉鎖外国人登録原票の家族欄にBさんの名前と生年月日が記載されています。
そもそも相続放棄の申述に放棄する方の戸籍が要求される趣旨は、放棄する方が被相続人の相続人であることを証明するためです。とすれば、この外国人登録原票をもって親子関係の証明になるのではないかと思い、管轄の家庭裁判所に問い合わせてみたところ、外国人登録原票を添付して提出してくださいとのこと。

外国人登録原票と、念のため、被相続人とBさんは親子であることに相違ない旨の上申書をつけて提出したところ、問題なく相続放棄の申述が受理されました。

はる司法書士事務所は韓国籍の方の相続手続きに力を入れています。

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