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未成年者・認知症・行方不明の方等がいる場合の相続登記

代理人の選任が必要な場合があります。

相続人のなかに、未成年者や認知症の方、行方不明者の方がいる場合は、遺産分割協議に先立ち、家庭裁判所に対し、特別代理人や成年後見人、不在者財産管理人の選任の申し立てをしなければなりません。
これらの者を選任せずになされた遺産分割協議は無効となります。


未成年者がいる場合

未成年者が法律行為をするには、法定代理人(通常は親権者)の同意が必要です。しかし、相続において被相続人の配偶者と子は共に利害が対立する関係にあります。そのため親権者が未成年の子を代理して遺産分割協議を行うことは利益相反行為として許されず、子のために特別代理人を選任するよう家庭裁判所へ申立てなければなりません。
未成年の子が複数いる場合は、それぞれにつき特別代理人を選任する必要があります。

特別代理人選任の申立についてはこちら


認知症の方がいる場合

相続人の中に、認知症や知的障がい、精神障がい等により、自分の行為や、その行為の結果がどのような意味を持つのか判断できない方がいる場合、家庭裁判所に後見開始の審判を申立てて、成年後見人を選任してもらい、その成年後見人と遺産分割協議をする必要があります。
この後見には、保護が必要な程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの制度があり、判断能力が残存する「保佐」「補助」の場合に保佐人や補助人が遺産分割を代理するには、保佐・補助開始の審判とは別に遺産分割の代理権を付与する旨の審判が必要となります。また、被補助人本人が遺産分割に参加する場合は、補助人の同意が必要となることから、補助開始の審判とは別に補助人に同意権を付与する旨の審判を受ける必要があります。

成年後見人選任の申立についてはこちら

③行方不明の方の方がいる場合

共同相続人の中に行方不明の者がいる場合、他の相続人が採るべき方法として以下の2つの選択肢が考えられます。

◇生死が7年以上不明な場合

行方不明の方の生死が7年以上不明な場合は、利害関係人(失踪者の配偶者・法定相続人など)は家庭裁判所へ失踪宣告を申し立てることができます。失踪宣告がなされると生死不明となった時点から7年間の期間満了を待って死亡したものとみなされます。被相続人よりも前に、失踪者が死亡した者とみなされれば、その方に子などがいる場合には、その子が失踪者を代襲して相続人となりますので、この代襲相続人を加えて遺産分割協議を行うことになります。

失踪宣告の申立についてはこちら

◇生死が7年に満たない場合

上記以外の場合、すなわち生死不明期間が7年に満たない場合やどこかで生存しているとの噂がある場合などは、利害関係のある共同相続人が家庭裁判所に対し不在者の財産管理人の選任を請求することになり、ここで選任された財産管理人が不在者に代わって遺産分割協議に参加します。なお、財産管理人には処分権限がありませんので、分割協議を成立させるにあたり家庭裁判所の許可を得る必要があります。 このように、共同相続人のなかに行方不明の者がいる場合は、家庭裁判所に対し、不在者の財産管理人の選任、または失踪宣告の申立を行う必要があり、この手続きを経ずに、行方不明者を除外してなされた遺産分割協議は無効となります。

不在者財産管理人選任の申立についてはこちら


胎児がいる場合

相続において胎児は既に生まれたものとみなされますので、胎児を除外した遺産分割協議は無効と解されます。そのため、胎児の出生を待って特別代理人選任の申立を行い、その代理人と遺産分割協議をするのが無難といえます。なお、緊急を要する場合は、遺産分割審判の申立をすることも可能です。

胎児と相続登記

法定相続分、あるいは遺言書で各相続人の遺産分割の割合が指定されている場合は、その指定相続分に従って相続登記を申請する場合は、胎児の状態でも相続登記をすることができます。この場合の登記名義人は「亡何某妻何某胎児」(例えば、被相続人A,その妻Bの場合は、「亡A妻B胎児」となります)とし、戸籍謄本、除籍謄本等を添付すれば足り、懐胎を証する書面の提出は不要とされています。 相続登記後に、胎児が生まれた場合は、その子の氏名、住所を明らかにする必要があることから、母親が代理人となって、登記名義人の氏名及び住所の変更登記を申請することになります。


海外赴任中の方がいる場合

遠方などの事情により遺産分割協議に参加できない場合には、相続人の誰かが作成した遺産分割案を郵送し、持回り方式で遺産分割協議に代えることが認められています。持ち回りで受け取った遺産分割協議書には署名捺印し、印鑑証明書を添付しなければなりません。しかし、海外在住のため日本に住所がなく、印鑑証明書の交付を受けられない場合には、印鑑証明に代えてサイン証明(署名(および拇印)証明書)を添付すればよいとされています。
サイン証明とは、日本に住民登録をしていない海外在住者に対し、日本の印鑑証明書に代わるものとして日本での手続きのために発給されるもので、申請者の署名(および拇印)が確かに領事の面前で証明されたことを証明するものです。交付を受けるための具体的な手続きとしては、遺産分割協議書を住んでいる国の日本大使館あるいは総領事館に持参して、領事の面前で署名および拇印を捺印し、遺産分割協議書と署名(および拇印)証明書を綴り合せて割り印をします。 これを日本へ返送すれば、この遺産分割協議書で相続登記等の申請が可能となります。


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