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相続財産の処分行為

相続財産を処分すると相続放棄ができなくなります。

相続人が相続財産の一部でも処分したときは、単純承認したもの(相続したもの)とみなされ、以後、相続放棄や限定承認をすることができなくなります。
単純承認とみなされる処分行為には、売買や譲渡などの法律行為だけでなく、家屋の取り壊しなどの毀損・破棄といった事実行為も含まれます。
もっとも、相続人が行った処分行為のすべてが単純承認とみなされるわけではなく、それが保存行為や短期賃貸借に当たる場合は単純承認とはみなされません。

保存行為 財産の価値を現状のまま維持するために必要な行為のこと ・期限の到来した債務の弁済
・腐敗しやすい物の処分
・壊れそうな家の修繕
・債務者に支払を請求するなど債権の時効を中断させる行為
短期賃貸借 民法602条に定める期間を超えない賃貸借のこと ・樹木の栽植や伐採を目的とする山林の賃貸借は10年
・それ以外の土地の賃貸借は5年
・建物の賃貸借は3年
・動産の賃貸借は6か月

相続財産の処分にあたるとされるもの/あたらないとされるもの

下記の表は判例を基に、相続財産の処分にあたるか否かの一応の基準を示したものです。 個々のケースにより事情が異なりますので、下表で相続財産の処分に当たらないとされている行為であっても事案によっては処分行為とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性も否定できませんので、迷われたら専門家のアドバイスを仰いでください。

相続財産の処分にあたるとされるもの 不動産・動産その他の財産権の譲渡
家屋の取り壊し
預貯金の解約・払い戻し
被相続人の債権を取立てて、これを収受する行為(※1)
株式の議決権行使
賃料物件の解約・賃料振込口座を自己名義の口座に変更する行為
遺産分割協議
相続財産の処分にあたらないとされるもの 遺産による相殺や期限が到来した債務の弁済(保存行為とされる)
死亡保険金の受領・死亡保険金による被相続人の債務の弁済
遺産による葬儀費用の支払(※2)
身の回り品・僅少な金銭の受領
資産価値のない物の形見分け(※3)
遺産による医療費の支払い
公共料金(ガス・電気・水道)の解約

※1 債務者に支払を請求する行為は、当該債権の消滅時効を中断させる効果を有することから保存行為に該当し、財産の処分行為には該当しないと解されています。その一方において、支払いを請求するだけでなく、自らこれを取り立て、受領する行為は、保存行為の範疇を超え、財産の処分行為に該当すると解されています。

※2 被相続人の葬儀費用は、本来、被相続人が支払うべきものではなく、葬儀を執り行った相続人にこそ支払い義務が認められるものなので、相続債務には含まれず、保存行為にはなりえません。しかしながら、「葬儀は人生最後の儀式として執り行われ、社会的儀式として必要性が高いもの」であり、「被相続人に相続財産があるときは、それをもって被相続人の葬儀費用に充当しても社会的見地から不当なものとはいえず、また相続財産があるにもかかわらず、これを使用することが許されず、相続人らに資力がないため被相続人の葬儀を執り行うことができないとすれば、むしろ非常識な結果と言わざるを得ない」として、単純承認を擬制する相続財産の処分にはあたらないと解されています。 ただし、香典や弔慰金がある場合には、まずこれらを葬儀費用に充当すべきであり、相続財産から葬儀費用を支出する場合であっても、その額は身分相応の当然営むべき程度に抑えるべきです。

※3経済的価値を有する物を形見分けとした場合は、相続財産の処分にあたり、単純承認とみなされます。



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