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後見制度

後見制度は普通の生活を送れるよう支援する制度です。

後見制度は、判断能力が低下した方(被後見人)に代わり、後見人が、年金の受給や家賃、医療費の支払いなど日常的な金銭の管理を行うだけでなく、福祉サービスの利用や施設への入所、治療・入院に関する契約を結んだり、悪徳業者との不当な契約を取り消すなど、被後見人が普通の生活を送れるよう支援する制度です。日常的な金銭の管理だけなら他の制度でも代用できますが、後見制度は判断能力が低下した方に代わって、必要となる医療・介護に関する契約や手続きを行える唯一の制度であることから、利用のニーズは高く、今後もさらに増えると予想されています。


相続放棄Q&A

  ①未成年者、②家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人、③破産者、④本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族、⑤行方の知れない者以外であれば、後見人になることができます。裁判所が行った調査によると平成27年1月から12月までの一年間で選任された後見人等のうち、子や兄弟姉妹などの親族後見人が29.9%、司法書士、弁護士、社会福祉士などの専門職後見人が65.6%を占めています。

  費用は支援を受ける本人が負担することになります。
任意後見人への報酬は支援を受ける本人と後見人との話し合いで決定されます。任意後見人を第三者に依頼した場合は報酬を支払うのが一般的であり、親族に依頼した場合は無報酬であることが多いです。
法定後見人と任意後見監督人の報酬は家庭裁判所が決定します。法定後見人の報酬の目安としては、通常の後見事務(管理財産が1000万円以下)の場合、月額2万円程度、管理財産が1000万~5000万円の場合は月額3~4万円、5000万円を超えると月額5~6万円となります。一方任意後見監督人の報酬の目安は、管理財産額が5000万円以下の場合は月額1~2万円、5000万円を超える場合は月額2万5000円~3万円になります。


  経済的理由によって後見制度を利用することができない方については、厚生労働省の「成年後見制度利用支援事業」によって申立てにかかる経費と、後見人等への報酬の全部または一部について助成をうけることができます。また、リーガルサポートが中心となって設立された「公益信託 成年後見助成基金」を活用すれば一定金額(月額1万円(最高2万円まで)の助成を受けることができます。


後見制度を利用しなかった場合のデメリット

後見制度を利用しなかった場合のデメリットとして下記のものが考えられます。

  • 定期預金の解約や大きな金額の引き落としを拒否される可能性がある。
  • 介護施設への入居や、介護サービスの契約ができない。
  • 介護保険サービスの申請をすることができない。
  • 遺産分割協議や相続放棄をすることができない。
  • 振り込め詐欺や悪徳商法等の被害にあっても、契約を取り消すことが容易ではない。
  • 介護施設への入居費用を工面するために、自宅の売却が必要であっても、売買契約自体をすることができない。
  • 法定後見制度と任意後見制度

    後見制度には、既に判断能力に問題がある場合に利用される「法定後見制度」と、将来、判断能力が低下した場合に備える「任意後見制度」という2種類の制度があります。
    法定後見制度は、認知症が進行するなど既に判断能力に問題がある場合に、家族などが家庭裁判所へ申立て、代理人を選任してもらう制度で、判断能力のレベルに応じて「補助」「保佐」「後見」の3つに分けられます。
    他方、任意後見制度は、判断能力がしっかりしているうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ、信頼できる人(任意後見人)との間で財産管理の在り方や、医療や介護などの手配についての取り決めをする契約のことで、本人の意思により支援内容や後見人を決定できる点が、法定後見制度との大きな違いとなります。

    法定後見制度 任意後見制度
    対象となる人 既に判断能力が低下している人 判断能力がある人
    支援内容 法律の規定による
    後見人は、日常生活に関する行為以外のすべての法律行為について代理権があります。
    契約による
    本人との間で締結された任意後見契約に記載された範囲内で本人を代理する権限があります。
    利用できる場面 判断能力が無くなった後 判断能力が無くなる前
    後見人 家庭裁判所が選任 ご自身が信頼できる人を選任
    後見監督人の選任 家庭裁判所が必要があると認めたときは選任される 必ず選任される

    後見人の仕事

    後見人は、本人に代わって、金融機関での払い戻しや振り込み、家賃や光熱水費等の支払い、役所での戸籍謄本や住民票の所得や、税金の申告、生命保険の保険金請求など、財産を日常的に管理する上で必要なことをすべて代行します。また、病院の入退院や介護施設への入退所などの手続きや、要介護認定の申請や介護サービスの契約・更新や解除、費用の支払いなど医療や介護などに関するさまざまな事務処理も代行することができます。

    後見人の仕事
    財産管理 日常的なお金の管理年金や家賃収入などを管理し、本人のために必要な家賃や光熱水費等の支払いをします。
    大切な財産の管理不動産や預貯金、重要な書類などを管理します。
    不当な契約の取消し悪徳商法など本人が不利な契約を締結した場合は、その契約を取消します。
    不動産の処分施設の入所費用に充てるなど必要がある場合は、不動産の売却・賃貸、賃借物件の解約などを裁判所の許可を得て行うことができます。 ※任意後見契約に定めがあれば、任意後見人は裁判所の許可なく行うことができます。
    遺産分割協議や相続放棄本人が相続人になった場合は本人に代わり遺産分割協議に参加したり、相続放棄の手続きを行います。
    身上監護 介護に関する契約や手続き介護契約を受ける契約や老人ホームなどの施設へ入所するための契約の締結、要介護認定の手続きを行います。
    医療に関する契約や手続き治療・入院等に関する契約の締結、入退院の手続きなどを行います。
    生活保護の申請本人に財産や収入がなく、扶養義務者がいなかったり、扶養義務者に生活余力がなく援助が困難な場合は、生活保護などの公的扶助の申請の手続きを行います。
    その他 債務整理本人に借金があった場合は、債務額を調査し、本人の収支状況に応じて、自己破産などの債務整理を行います。過払い金が発生している場合は、訴状や任意交渉を通じて過払い金を回収します。
    裁判所の手続き本人を代理して裁判を提起したり、相手から起こされた裁判を追行することができます。
    任意後見人の仕事の範囲

    任意後見契約は本人と任意後見人との合意に基づく委任契約であるため、任意後見人の仕事の範囲は、本人が決定することができ、その内容は任意後見契約書に記載されます。

    後見人でもできないこと

    後見人の仕事は、本人に代わって財産を管理したり、医療や介護に関する契約を締結するなどの法律行為に限定されているため、食事の世話や実際の介護行為などは後見人の仕事ではありません。後見人であってもできない行為については下記のものが挙げられます。
    ①一身専属的なこと(遺言など)
    ②身分行為(婚姻・離婚・養子縁組など)
    ③医療行為の同意(手術や延命治療の可否の決定など)
    ④本人の債務の保証人となること
    ⑤身柄を引き取ること(身元保証人となること)など

    法定後見制度の種類

    法定後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて「補助」「保佐」「後見」の3つに分けられており、それぞれ「補助人」「保佐人」「後見人」が選任されます。

    後見の制度 保佐の制度 補助の制度
    対象となる人 ほとんど判断能力を欠いた人
    (例)買い物に行っても釣り銭の計算ができず、必ず誰かに代わってもらうなどの援助が必要な人
    判断能力がかなり衰えた人
    (例)日常の買い物程度なら一人でできるが、不動産の売買や自動車の購入などの重要な財産行為を一人ですることが難しいと思われる人
    判断能力に不安がある人
    (例)自動車の購入など重要な財産行為についても一人ですることができるかもしれないが、不安な部分が多く、援助者の支えがあった方が良いと思われる人
    代理人の権限 日常生活に関する行為を除くすべての法律行為について包括的な代理権と同意権・取消権がある 一定の重要な行為(民法第13条第1項所定の行為)については、同意権・取消権があるが、代理権については本人の同意があるものに限られる。 代理権も同意権・取消権も、本人の同意があるものに限られる。
    ※補助人に付与される同意権・取消権の対象となる法律行為は民法第13条第1項で定められているものに限定される。
    悪徳商法など本人が不利益な契約を締結した場合 後見人はその契約を取り消すことができる。 本人が保佐人の同意を得ないで契約を締結した場合は、保佐人はその契約を取り消すことができる。 訪問販売による契約の締結について補助人が同意権を与えられていれば取り消すことができる。
    財産の管理 後見人が本人に代わって預貯金や不動産などの財産を管理する。 本人が保佐人に財産の管理についての代理権を付与していない場合は、本人が財産を管理することになる。 本人が補助人に財産の管理についての代理権を付与していない場合は、本人が財産を管理することになる。
    遺産分割協議 後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加する。 本人が遺産分割協議に参加する場合には保佐人の同意が必要。保佐人が本人に代わって遺産分割協議に参加するためには遺産分割の代理権を付与する旨の審判が必要。 本人が遺産分割協議に参加する場合には補助人の同意が必要となることから、補助人に同意権を付与する旨の審判を受ける必要がある。補助人が本人に代わって遺産分割協議に参加するためには遺産分割の代理権を付与する旨の審判が必要。

    民法13条第1項所定の行為
  • 貸金の元本の返済を受けたり、預貯金の払戻しを受けたりすること
  • 金銭を借り入れたり、保証人になること
  • 不動産をはじめとする重要な財産について、手に入れたり、手放したりすること
  • 民事訴訟で原告となる訴訟行為をすること
  • .贈与すること、和解・仲裁合意をすること
  • 相続の承認・放棄をしたり、遺産分割をすること
  • 贈与・遺贈を拒絶したり、不利な条件がついた贈与や遺贈を受けること
  • 新築・改築・増築や大修繕をすること
  • 一定の期間を超える賃貸借契約をすること

  • 保佐人が本人の同意がない限り預貯金を管理することができません

    保佐人には、一定の重要な行為(民法13条1項に規定されている行為)について同意権・取消権が認められていますが、当然には本人を代理する権限までは認められていません。そのため、預貯金の管理や不動産の処分、介護契約の締結などを保佐人に代理してもらうには、保佐開始の審判と同時に、あるいは別に代理権付与の審判を申立てる必要があります。この代理権付与の審判には本人が同意することが前提となります。被後見人とは異なり、被保佐人には判断能力が残っているため、本人の自己決定権が尊重されるためです。したがって、本人が同意しない限り、家庭裁判所は保佐人に代理権を付与することができないことから、財産管理に不安があっても、保佐人が本人に代わって預貯金の管理などをすることはできないことになります。 この場合、社会福祉協議会が行う日常生活自立支援事業を利用して財産管理を行ってもらい悪徳商法などの被害から本人の財産を守ることはできますが、この場合も本人が拒否すれば利用することはできなくなります。

    補助人に代理権、同意権・取消権を与えるには本人の同意が必要です

    後見や保佐に比べ、被補助人の認知症の程度は軽度であることから、補助人に代理権、や同意権・取消権を付与するには本人の同意が必要となります。本人の同意がないと、補助開始の申立て自体を行うことができません。

    法定後見制度手続の流れ

    法定後見は、本人の判断能力が低下後、本人、配偶者、四親等内の親族、市区町村長、検察官などが、家庭裁判所に法定後見の申し立てを行うことから手続きが開始されます。家庭裁判所は本人や後見人候補者などから話をきき、後見の必要性や後見人の適格性などを調査して、後見人等を選定します。審判が確定すれば、後見登記がされ、後見人等の財産管理が有効となります。

    ①ご面談

    本人の判断能力、日常生活、経済的状況等を把握し、もっとも適切な制度・方法を検討します。
    出張面談も行っています。お気軽にお問い合わせください。


    ②家庭裁判所へ申立て

    法定後見制度を利用することが決まれば、後見人の候補者を決め、必要書類を準備して家庭裁判所へ申立てを行います。

    管轄裁判所本人の住所地の家庭裁判所
    申立人本人・配偶者・四親等内の親族等・市区町村長他
    ※補助制度の場合は本人の同意が必要。
    必要書類申立書
    申立書付票、親族関係図、後見人等候補者身上書
    本人に関するもの戸籍謄本
    戸籍の附票または本籍地の記載のある住民票
    後見登記されていないことの証明書
    診断書(医師に依頼して作成)
    本人の財産目録
    本人の収支予定表
    本人の健康状態がわかる資料
    本人の財産等に関する資料
    申立人に関するもの戸籍謄本
    成年後見人等の候補者に関するもの戸籍謄本
    戸籍の附票または本籍地の記載のある住民票
    身分証明書(成年被後見人等になっていないことの証明)
    申立費用 入印紙800円(選択した申立内容によって異なります)
    収入印紙2600円(登記費用として)
    切手3000円から5000円程度(裁判所によって異なります)
    鑑定費用
    ※鑑定が必要な場合
    おおよそ5万円

    ③家庭裁判所の調査官による調査・鑑定・審判

    申立人、本人、成年後見人等候補者が家庭裁判所に呼ばれて事情を聞かれます。必要があれば、判断能力の程度を調べるため、鑑定が行われます。
    提出書類や調査・鑑定結果などを総合的に考慮して、本人にとって後見人等が必要と判断した場合、後見開始・保佐開始・補助開始のいずれかの審判が行われます。
    審判がなされた場合、本人、申立人、成年後見人・保佐人・補助人(成年後見人等)のいずれかに審判書謄本が送付されます。

    ④後見人の登記

    成年後見人等が、審判書謄本を受け取ってから2週間以内に異議の申立てがなければ、審判が確定し、その旨が登記されます。


    ⑤後見事務のスタート

    登記後に送付される書類が届いてから1ケ月以内に財産目録と年間収支予定表を作り、家庭裁判所へ提出します。

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