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住宅ローンが完済した場合の相続登記

団体信用生命保険で住宅ローンが完済した場合の相続登記

相続財産には住宅ローンなどのマイナス財産も含まれ、家庭裁判所において相続放棄の手続きをとらない限り、法定相続分に応じて返済義務を引き継ぐことになります。もっとも、住宅ローンの場合、契約時に団体信用生命保険に加入していれば、相続人はローン残金の支払い義務を負うことなく当該不動産を相続することができます。
この団体信用生命保険とは、ローンを貸し出す銀行のための保険で、仮に借主が死亡しても、その時点での残高に見合う金銭を保険会社から受け取り、借主の借入金に充当するシステムとなっています。団体信用生命保険によって住宅ローンが消滅したときは、住宅ローンの借り入れに際し設定された担保権(抵当権)の抹消手続きが必要となります。

相続登記と抵当権抹消登記

団体信用保険による住宅ローンの完済は、相続発生後に生じた事由となるため、担保権を抹消するには、まず、相続登記により所有権を被相続人から相続人へ移転したのち、所有者となった相続人を権利者として担保権の抹消登記を申請する必要があります。

抵当権抹消登記
権利者・義務者権利者:相続人全員
義務者:住宅ローンを貸し付けていた金融機関
申請人権利者と義務者の共同申請
※相続人が複数人いる場合は、相続人のうちの一人が申請人となることもできる。
必要書類義務者が用意するもの
・登記原因証明情報(解除証書、弁済証書)
・登記済証または登記識別情報
・代理権限証明情報(委任状)
・資格証明情報(代表者事項証明書)※会社法人等番号を記載した場合は不要
権利者が用意するもの
・相続証明情報(被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の現在戸籍)
登録免許税不動産1個につき1000円


団体信用保険に加入していなかった場合

住宅ローンを利用してマイホームを購入する場合、金融機関の多くは、借り入れ条件として団体信用保険の加入を義務付けています。しかし、一部の金融機関や、住宅金融支援機構の「フラット35」では、団体信用保険は任意加入となっています。そのため団体信用保険に加入していなかった場合、住宅ローンの残額は、相続放棄をしない限り、相続人の方に返済する義務が発生します。


(1)相続放棄をする

不動産以外にこれといった財産がなく、住宅ローンを支払うことが困難な場合には、相続放棄を検討することになります。 相続放棄は、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。相続放棄をすれば、住宅ローンなどの債務だけでなく、不動産や預貯金などの資産も引き継ぐことができなくなります。

相続放棄の詳細についてはこちら


(2)任意売却をする

他に遺産がある場合は、任意売却を検討することができます。
任意売却とは、住宅ローンを残したまま、不動産を売却することです。通常の不動産の売却手続きとあまり変わりはありませんが、任意売却では、住宅資金を貸し付けている金融機関などの債権者から同意を得る必要があります。また、売却代金だけでは、住宅ローンを完済させることができない場合は、債務が残ることになりますので、債権者からの同意が得られるかどうか、残った債務を返済できるかどうかといったことも含めて、任意売却を検討する必要があります。


(3)住宅ローンを返済しながら、実家に住み続ける

不動産の価値よりも住宅ローンの残額が少ない場合や、住宅ローンの返済が可能な場合には、住宅ローンを返済しながら、実家に住み続けることもできます。
このとき、実家を取得した特定の相続人だけが、住宅ローンを引き受けることは可能でしょうか。
原則として相続人のうちの一人が債務を引き継ぐ遺産分割協議が成立しても、相続人間での取り決めとしては有効ですが、それを債権者に主張することはできません。借金等の債務は、相続開始と同時に遺産分割をすることなく、法定相続分に応じて当然に承継されることになり,相続人が自由に債務の負担割合を決定できるとすれば、返済能力のない者に債務全額を引き受けさせるような事態も起こりかねず、債権者の権利が害されるからです。 ただし、債権者が承諾すれば、特定の相続人が債務の全額を引き受けることも可能です。
住宅ローンを返済しながら、実家に住み続けることを選択した場合は、実家の所有権を被相続員から相続人へ名義変更するための相続登記を行ったうえで、住宅ローンを担保するために設定された抵当権の債務者を被相続人から相続人へ変更する登記が必要となります。

相続による債務者の変更登記

相続により抵当権の債務者に変更が生じた場合、抵当権の変更登記を申請する必要があります。その前提として、抵当権が設定された不動産につき、被相続人から相続人への所有権移転登記(相続登記)が必要となります。

  • 被相続人から相続人への所有権移転登記(相続登記)
  • 債務者を被相続人から相続人へ変更する抵当権変更登記

  • 相続人のうちの一人を債務者とする抵当権変更登記には以下の2パターンがあります。

    1.相続人のうちの一人が債務を承継する旨の遺産分割協議が成立し、債権者がこれを承諾した場合

    登記原因を相続として、被相続人から債務を引き継ぐ相続人へ債務者を変更します。

    登記の目的 抵当権変更
    原因  平成○年○月○日相続
    変更後の事項 債務者 債務を引き継ぐ相続人の氏名・住所


    2.債務についての遺産分割協議がなく、債権者の同意を得て、相続人のうちの一人が他の相続人の債務を引き受ける契約(免責的債務引受契約)が成立した場合

    まず、相続人全員を債務者とする変更登記をした上で、債務引受を原因として相続人のうちの一人を債務者とする変更登記を申請する必要があります。
    (相続人:子どもA,B,C、債務を引き継ぐのがAの場合)

    登記の目的 抵当権の変更
    原因  平成○年○月○日相続
    変更後の事項 債務者A,B,C


    登記の目的 抵当権の変更
    原因 平成○年○月○日B,Cの免責的債務引受
    変更後の事項 債務者A


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