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相続放棄と自己破産

相続放棄と自己破産

事例

被相続人のAさんは生前、事業を営んでいましたが、資金繰りがうまくいかず数千万円の負債を残したまま廃業。毎月少しずつ返済は続けてきましたが、体調を崩され、返済の目途が立たなくなり、弁護士事務所へ自己破産手続きを依頼した矢先に、お亡くなりにならました。
相続人は妻と2人のお子さんの3人で、相続放棄についての相談でご来所されました。

話を聞くうち、妻であるBさんは、被相続人Aさんが、自己破産手続きを検討されているときに初めて、BさんがAさんの借金の連帯保証人になっていることを打ち明けられ、Aさんと一緒に弁護士事務所に自己破産の手続きを依頼されているとのことでした。
ただ、自己破産を依頼している弁護士事務所と連絡が取りづらく、手続きも進んでおらず、報酬も高額なため、依頼を継続するか悩まれていました。

相続放棄

相続放棄は、亡くなられた方(被相続人)名義の借金や保証債務を相続しないための手続きです。つまり、相続放棄をすれば、被相続人に関する借金・保証債務について、支払いを免除されるのです。
相続放棄によって免除される債務としては下記のものがあります。

相続放棄によって免除される債務

  • 被相続人が借りたお金(借金・住宅ローン)
  • 被相続人に支払い義務のあるもの(契約者を被相続人とする家賃・水光熱費・携帯代・入院費・入所費、相続発生前の未払いの養育費、損害賠償債務など)
  • 被相続人名義の未払いの税金
  • 被相続人が連帯保証している債務


  • 相続放棄では免除されない債務
  • 日常家事債務 (例)被相続人と同居していた配偶者は、契約者が被相続人であっても、家賃や水光熱費を支払う義務がある。
  • 相続人の連帯保証債務(相続人が被相続人の借金について連帯保証人になっている場合)


  • 自己破産

    自己破産は、裁判所へ「破産申立書」を提出し、免責許可をもらうことで、借金をゼロにすることができる制度です。
    借金を整理する債務整理手続きの中で、借金をゼロにできるのは自己破産だけです。
    ただし、自己破産によっても免責されない、返済義務が残る債務もあります。

    自己破産によっても免責されない債務

  • 滞納した税金
  • 悪意で加えた不法行為による損害賠償請求(例えば会社のお金を横領した場合の損害賠償金など)
  • 故意や重過失で加えた人の生命や身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(相手を殴ってケガをさせてしまった場合の損害賠償金など)
  • 婚姻費用や養育費
  • 未払給与や退職金など雇用契約にもとづく使用人の請求権や預り金請求権
  • 婚姻費用や養育費
  • 罰金や科料など

  • 相続人が被相続人の借金の連帯保証人になっていた場合

    相続人が被相続人の借金の連帯保証人になっていた場合、相続放棄をしただけでは、相続人自身の連帯保証債務は消滅しません。

    逆に、自己破産をすれば、自身の連帯保証債務だけでなく、相続した被相続人の債務も帳消しにすることができます。

    ただし、被相続人が税金を滞納していた場合や、把握していない相続債務が残されている可能性がある場合には、自己破産をしただけでは、これらの負債について返済が免除されませんので、あわせて相続放棄の手続きもとる必要があります。

    事例では、被相続人Aさんに税金の滞納があり、かつ把握しきれていない債務もある可能性があったため、妻Bさんについては相続放棄とあわせて自己破産の申立てを行う必要性があること、
    自己破産に関しては、弁護士事務所への報酬の支払いが難しい場合は、法律扶助制度(法テラス)を利用して自己破産の申立てを行えば、予納金以外の費用を低く抑えることができることをお伝えしました。

    とりあえず、お子さんも含めて、相続放棄の手続きを先に進めてもらい、自己破産については検討したいとのことでしたので、Aさんとお子さんについて相続放棄の手続きを行い、 被相続人は韓国国籍だったため、お孫さんについても相続放棄の手続きを行いました。

    その後、Aさんから弁護士事務所への依頼を断り、法テラスを利用したいとのご相談を受けました。

    法律扶助制度の利用には一定の要件がありますが、Bさんは全ての要件を満たしていたので、書類を揃えて、法テラスへ法律扶助制度の利用申請を行うとともに、自己破産の手続きに入りました。
    その後法律扶助制度の利用が決定し、自己破産の申立てを行いました。



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